ちゃーりーはかめのぶろぐ

人生はエビフライ♪

家畜人ヤプー

イメージ 1

家畜人ヤプー』/ 沼正三 (1956年~)



この作品をSM的SF小説と評価するか
SF的SM小説と評価するかと言えば
そりゃぁもちろん「SF的SM小説」であります
ここでいうSMとはかなり広義の表現と言うべきで
正確に言えば、「SFもどきスカトロ・マゾ小説」 でしょう

作者の沼正三覆面作家でありまして
その正体については、ネットでちょいと調べれば
情報はあふれておりますので、あえてここでは書きますまい…
でも一つだけ
作者(の中心人物と目される人物)は
いわゆる飲尿プレイのやりすぎで
顔からは常に塩が析出していたとかいないとか…

遠い未来、日本人はヤプーと称され
白人(アングロサクソン)の道具と化している!
バイオテクノロジーの進歩によりヤプーの体には様々な改造が施され
用途によっては原型をとどめないまで改変が行われているのだ!
で、ヤプーを原材料とした様々な道具の中でも極めつけが
便器
というわけ
便器たるヤプーたちがいかにして
白人たちの排せつ物を処理するかは詳述されており
(この下りを、おそらく作者は悶絶しながら
執筆していたのではないかと…想像されます)
この部分を目を輝かせながら一気に読んでしまう人は
間違いなく真性でありましょう…

まぁそれは冗談として、この作品を読むのは非常に辛い
というのは、この小説のメインのストーリーは
ある日本人の青年がひょんなことから
未来社会に連れ去られ、ヤプーとして徐々に改造され
ついには便器にされてしまう、というもので
何が辛いって
主人公の青年が次第にプライドをはぎ取られ
人格を奪われ、やがてそれを受けいれはじめ
最終的には心から喜んで便器としての自分の立場を受けいれるという
あまりにもリアルに描写される、その堕ちていく様子が
読んでいてそれはそれは辛い…

つまり民族としての尊厳(人間としての尊厳)を奪われ
白人の奴隷以下の存在(真性マゾ)におとされるという
ダブル堕落として描かれているというわけで
ここの作者の深い意図を感じるわけであります!
ウソウソ^^;

まぁそういうわけでして~
未読の方は是非是非踏絵の意味でも
読まれることを強くおすすめいたしますよ~!(笑)

ところで
私が初めて本作を読んだのは二十数年前
最近久しぶりに読み返して改めて感心したのは
その緻密な構成でありまして
本作に大いなる迫真性を与えている重要要素でありましょう
三島由紀夫が絶賛したそうですが、まぁ分かるような気がします

ちなみに、完結編もありますので
そちらも是非お読みください



イメージ 2