ちゃーりーはかめのぶろぐ

人生はエビフライ♪

死だけが二人を永遠に結ぶ…『雨のエトランゼ』

イメージ 1

雨のエトランゼ
(Un Beau Monstre)1971年・フランス映画。

監督:セルジオ・ゴッビ 原作:ドミニク・ファーブル『美しい野獣』
脚本:セルジオ・ゴッビ、ジョルジュ・タベ、アンドレ・タベ
撮影:グニエル・ディオ 音楽:ジョルジュ・ガルヴァランツ
出演:ヘルムート・バーガー、ヴィルナ・リージ、シャルル・アズナヴール
フランソワーズ・ブリオン、エディット・スコブ


イメージ 2


主人公のアラン(ヘルムート・バーガー)は
仕事もせずに超高級アパートに住む若い富豪なのですが
愛した女性をいじめぬいてしまう、という一種の変態性癖なのであります

彼の最初(?)の妻は彼にいじめられて
結婚半年でアパートのテラスから飛び降り自殺をしてしまう
その瞬間をたまたま目撃していた向かいのアパートの住民
ナタリー(ヴィルナ・リージ)に、彼は一目ぼれしてしまい
ナタリーもアランに強く惹かれ
まだ喪中じゃないの?ってくらいの時期にスピーディーに結婚へ…


イメージ 3


しかしながら、いざ結婚生活が始まると
アランは持ち前の性癖でもってナタリーを陰湿に苛め抜く
ナタリーはこのままでは自分の行く末は彼の前妻と同じになることを
はっきり予感して彼のもとから逃げ出すのですが
いびつな関係ながらも二人はお互いに深く愛しあっており
その愛を成就する唯一の手段として
心中(飛び降り自殺)をしてしまう…


イメージ 4


と書くとクサくて話になんねぇじゃん!
と思われるでしょうが
ヘルムート・バーガーとヴィルナ・リージの
陰のある美しさが究極の悲恋物語を大いに盛り上げるのです
特にヘルムート・バーガーの美しさはなんと言ったらいいか
もう、殺意をおぼえるほどなのでありますよ!

実は私も最初観たときはハッキリ言ってちょっとむかついて
もう二度と観ねぇよ!と思ったのですが
ちょっとした理由があって先日観なおしたところ
いいんですよ~、すごく
この時期にこのキャスティングでしか
絶対に撮りえなかった作品だと思います

まさに美しい野獣
フィルムに刻印されて永遠に残るのでしょう


イメージ 5

後ろ姿ですが
ヘルムートバーガーの全裸あり!!


イメージ 6

映画のストーリー(Movie Walker より)
ナタリー(V・リージ)は真向いの八階のヴェランダから、白い夜着をまとった女が飛び下りるのを目撃した。そして同じヴェランダに、死んだ女の夫らしい美しい男が、じっと彼女を見詰めていた。男はアラン・ルボン(H・バーガー)といい、死んだ女は彼の新妻であった。ナタリーの証言で、事件は自殺ということで落着したが、担当刑事のルロワ(C・アズナブール)は事件の裏に何かあるとふんで、執拗に捜査を続行した。ナタリーが部屋に帰ると受話器が鳴った。アランからだった。彼女が窓を開けると、向いのヴェランダに受話器を握った彼の姿があった。二人は互いの姿を見合いながら話し続けた。その夜のデートはナタリーを陶酔させた。妻が自殺したというのに平然と自分を誘う、金持で美しいアランの、その悲しげな横顔に魅入られたナタリーは、ぐんぐん引摺られていく自分を感じていた。そして、現在の恋人バンサンは過去の人となり、ナタリーはアランと結婚した。甘美な陶酔を約束したはずの初夜も、ベニスへのハネムーンでも、アランは一度もナタリーを抱こうとはしなかった。パリに帰ってもアランの行動は奇妙の連続で、ナタリーとは一度も愛を交さないで、ナタリーの友達ジャクリーヌ(F・ブリヨン)とはベッドを共にした事実があった。ナタリーは苛立ち、アランと別れる決心をして、荷物をまとめた。その時ナタリーの前にアランが立ちふさがり、次々と部屋の鍵をかけ彼女に迫った。半狂乱になったナタリーは浴室に逃げこみ、打割った鏡で手首を切り、気絶した。アランはそんな彼女に一方的な愛撫をくりかえした。ナタリーはベッドで、前妻シルヴィが投身自殺をする前に、必死に求めた薬と同じものを与えられ、やがて彼女自らその楽を欲しがるようになり、次第に衰弱していった。ルロワ刑事はナタリーに警告を与えたが、今では、アランの異常な行為を正常と思う程愛しはじめていたナタリーの返事は変らなかった。翌朝、アランを訪ねてきたディノ(A・ヌーリー)は、アランと異常な行為を始め、夜のパーティでナタリーの耳にささやいた。「アランは嫉妬してる。君と僕を苦しめ自分も苦しんでいる。おかしな趣味さ」翌日、ナタリーは正式に離婚を申し出た。弁護士の前に座ったナタリーは事実上の夫婦でないことを打ち明けた。しかしアランの言葉が雷鳴のごとく彼女の胸をうった。「妻は妊娠しています」。すぐに産婦人科に駆け込んだナタリーは、初めてその事実を知ったのだ。そしてナタリーの内部にこみあげてくるものがあった。“私は愛されている”あの人が鉄則を破ったのだ、と。刑事は彼女をアランの緻密な罠から救おうと、彼の出生の秘密を明かした。「彼の母親は戦争中に暴行され、ドイツの精神病院に入り、御主人はそこで生まれたのです」しかしナタリーの反応は理解を絶するものであった。「彼には私が必要なのです」ナタリーはアランの部屋で、彼の帰りを待っていた。二人は抱き合ったまま、ヴェランダへにじり寄ると、二人の体は雨の帳の中を舞い落ちていった。