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火の鳥 ~ クラウド アトラス

 
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手塚治虫の代表作一つとして知られる
火の鳥
手塚治虫本人もライフワークとして位置づけ
生命というテーマに果敢に取り組みました
 
 
 
ご存じの通り
手塚治虫には未完の大作が数多くあります
火の鳥』も一般的にはその一つに数えられていますが
それは必ずしも正しくない。というのは、この作品
『黎明編』と『未来編』において
メインテーマは実は完結しているのであります
 
太古と超未来から始まって、徐々に両側から進んで
最後は現在で完結する、というもともとの
コンセプトからすれば確かに未完ではありますが
現在から過去へ、あるいは過去から未来へ
時空を超えて受け継がれる「生命」の
本質とは?という問い対しては
その初期において明確に答えが出されているので
仏教のいわゆる「輪廻転生」とも似た
手塚治虫の死生観そのものは明らかになっているのです
 
その後の編においては
このテーマがプロットを変えて
繰り返し語られているに過ぎないと言えないこともない
 
 
 
と言いつつも
前述の『黎明編』、『未来編』
に加えて、『ヤマト編』、「宇宙編」、『鳳凰編』、『復活編』
の6編はべらぼうに面白いし、サブテーマも深い
それに、手塚治虫がもくろんでいた
漫画における映画的表現手腕もいかんなく発揮され
極上のエンターテイメントとしても楽しめるようになっており
まさに手塚漫画の集大成と言っても過言ではないでしょう
 
上記6編に続く他の編は、これほどの高い質は維持できていませんが
『望郷篇』などは、やや冗漫ながらも
読みごたえのある大作に仕上がっており
手塚治虫が最後にどういうオチをつけるつもりだったのか?
興味は尽きないし、是非是非読みたかったというのが
本音ではありますが…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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クラウド アトラス』 
(Cloud Atlas)2012年・ドイツ/アメリカ/香港/シンガポール

監督:ラナ・ウォシャウスキートム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー
脚本:ラナ・ウォシャウスキートム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー
原作:デイヴィッド・ミッチェルクラウド・アトラス
製作:グラント・ヒル、ステファン・アーント、ラナ・ウォシャウスキートム・ティクヴァ
アンディ・ウォシャウスキー
製作総指揮:フィリップ・リー、ウーヴェ・ショット、ウィルソン・チウ
音楽:トム・ティクヴァ、ジョニー・クリメック、ラインホルト・ハイル
撮影:ジョン・トール、フランク・グリーベ 編集:アレクサンダー・バーナー
出演:トム・ハンクスハル・ベリージム・ブロードベントヒューゴ・ウィーヴィングジム・スタージェスペ・ドゥナベン・ウィショー、ジェームズ・ダルシー、ジョウ・シュンキース・デヴィッド
 
 
 
 
今更私がどうのこうの言うまでもなく
既に多くの人たちが指摘しているように
火の鳥』をちゃんと読んだことがある人は
この映画を観て真っ先に『火の鳥』を思い出したはずです
この件に関してオシャウスキー兄弟が何かを語っているのかどうか
私は全く承知してはいませんが、彼らが『火の鳥』を
熟読したことに疑いの余地はないでしょう
 
時代が錯綜して入り組んだ構成であるにもかかわらず
全く難解ではないし、テンポよくスピーディーに展開して
長尺ながら全く飽きさせない作りはさすがです
ただ、7つのエピソードに役柄を変えてなんども登場する俳優達
特にトム・ハンクスなどが、例えば『火の鳥』における猿田(猿田彦、我王)
のように、全体を通じた狂言回しの役割を果たしているわけでもなく
イマイチというか中途半端になってしまっているのはちと残念
単なる娯楽作品の域は出ていないと思います
 
 
 
 
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