バルテュス展
初日に行ってきました
戦後初、国内最大規模の大解雇展
と銘打っているだけあって、相当に見応えがありました
もちろん私もバルテュスの本物の作品を
こんなにたくさん観たのは初めて
有名な作品も数多く来てましたし
よくありがちな作品の頭数だけは揃えました
みたいな回顧展とは一線を画しています
ポスターにも使われている
最も有名な作品のひとつである
「夢見るテレーズ」も本邦初公開とのこと
バルテュスは絶対に自然光でしか描かなかったそうで
気に入った光の射し方になるまで気長に待ったらしいですが
↓の作品の額や頬の影のつきかたなどは
一日のうちでこのような光の加減なるのは
一体何分くらいなのだろう?と考えてしまうくらいに
微妙な瞬間をとらえているように思います
バルテュスはなかなか思うように絵が売れず
話題作りで人目をひくために
ポルノぎりぎりの作品やその展示方法で
物議を醸したこともありますが
彼の作品には本来的に淫靡な面があります
モデルの女性達の一風変わったポーズと
その妙なシチュエーションにも
独特のエロティシズムが感じられます
バルテュスを語る上で非常に重要なのは
やはり節子夫人の存在ですね
バルテュスにとって、あるいは
バルテュスの認識の中においては
節子夫人はいわば日本の象徴であったのかも知れません
波乱万丈の人生でしたが
晩年はおだやかで平和な心で過ごせたのでしょう
Balthasar Michel Klossowski de Rola
(1908年2月29日 - 2001年2月18日)
なぜだか知りませんが
最近バルテュスは
ずいぶん注目され始めているようです
少しは画集も安くでるかな?