ちゃーりーはかめのぶろぐ

人生はエビフライ♪

もう一回、『半島を出よ』

 
 
イメージ 1
 
 
2月4日の日経新聞に掲載されていた、田中均氏の小論文は、極めて興味深い内容でした。
お題は「日米関係再構築」で、読まれた方も多いと思います。田中均氏と言えば、あの電撃的日朝首脳会談実現の立役者として一躍有名になった人ですね。論文の内容も、よくある学者の能書き(失礼…)とは全くことなる実のあるものです。
文中、私が特に興味深いと思ったのは以下の4点。
①日米両国が中国をそれぞれの2国関係の中でとらえるのではなく、包括的な東アジア政策の中で考える必要があること ②米国は日本の立場を十分に尊重しつつも基本的には良好な日中関係、日韓関係を望んでいること ③上記②を踏まえつつ、尖閣の実効支配の強化、歴史問題の解釈を変えようとする動き等は日米双方にとって問題であると米国は考えていること ④集団的自衛権問題は今後時間をかけてじっくり検討していくべきであり、拙速に結論を出すべきではないこと。
 
いくつかの日本紙にも取り上げられていた、2月25日付けフィナンシャル・タイムスの社説には、「安倍首相が真に情熱を注ぐ国の威信の復活という目標へ踏み出すことは危険。ナショナリズムを封印し、現実主義的な行動をとるべし。」と述べられています。
 
3月15日付産経新聞中曽根康弘氏の寄稿中に、集団安全保障への参加について、「現行の憲法9条をあえて変更する必要はない。政府解釈を改めることで足りる。」との記述がありました。
 
一部保守系のメディアは、「現状は右傾化ではない。左に寄りすぎていたものを修正しているだけである。」との論調を展開していますが、これは明らかにたわごとです。それは、西側諸国・近隣諸国からの視点によって相対的に定まることでしょう。
 
最も愚かなのは、敵に回してはいけない相手が分からないことです。
 
 
イメージ 2イメージ 3
『半島を出よ』 / 村上龍 (2005年)
 
 
どうやら、この小説で描写されているほどには
日本は悪い方向へは進んでいないようです
でも一時は本当に危なかったと思います
 
油断は禁物ね