テリー・ボジオ - コンポーザー・シリーズ
Terry Bozzio - Composer Series / Terry Bozzio (2015)
昨年の暮れにリリースされた、テリー・ボジオの現時点での最新作です
CD4枚+ブレーレイ・ディスクの5枚組というものすごいボリューム
ですが、コンポーザー・シリーズというタイトル通り
ボジオの楽曲の紹介のような内容で
彼のど派手なドラムソロを期待して聴くと肩透かしを食らいます
そもそも生演奏自体がほどんどなく、9割がた打ち込みで作られています
4枚のCDにはそれぞれ
「Fusion 1」、「Fusion 2」、「Classic」、「Ambient」
というタイトルがつけられていますが
全体的には少しずつ切り口を変えたアンビエント・ミュージックの集大成
というような趣で、ある程度彼の音楽センスを理解していないと
通して聴くのは相当につらいと思います
ブックレットがついていて、CD収録曲59曲全てに
ボジオ本人の解説と、彼が曲のイメージを表現した
本人描画による絵(一部写真)がついています
全体から受ける印象は、晩年近くにフランク・ザッパがリリースした
やはり打ち込み主体のアルバム 『JAZZ FROM HELL』 に非常に近いものがあります
ただ、ザッパのアプローチの方が極めてアグレッシブで邪悪な雰囲気があり
必ずしも音楽的に近いというわけではありません
が、ボジオの中では今でもザッパが生きていることははっきり感じ取れます
ブルーレイの方には
スタジオにおける最新のパフォーマンス映像が収録されており
例の要塞セットを完全に使いこなした
35分にもおよぶボジオのソロ・プレイが堪能できます!
ただし、このブルーレイ目当てに本作を買うのはちょっと待った方がいいかもしれません
前述したように、CDはかなり彼の音楽を知っていないとつらいものがありますし
ボジオは近年はほぼ毎年なんらかの形で来日公演を行っていますので
このアルバムを買うお金があるのならライブを観に行った方が安上がりかも…