地獄からの脱出
Dynasty / Kiss (1979年)
1. I Was Made for Lovin' You (Paul Stanley, Vini Poncia, Desmond Child)
2. 2,000 Man (Mick Jagger, Keith Richards)
3. Sure Know Something (Stanley, Poncia)
4. Dirty Livin' (Peter Criss, Stan Penridge, Poncia)
5. Charisma (Gene Simmons, Howard Marks)
6. Magic Touch (Stanley Stanley)
7. Hard Times (Frehley)
8. X-Ray Eyes (Simmons)
9. Save Your Love (Frehley)
2. 2,000 Man (Mick Jagger, Keith Richards)
3. Sure Know Something (Stanley, Poncia)
4. Dirty Livin' (Peter Criss, Stan Penridge, Poncia)
5. Charisma (Gene Simmons, Howard Marks)
6. Magic Touch (Stanley Stanley)
7. Hard Times (Frehley)
8. X-Ray Eyes (Simmons)
9. Save Your Love (Frehley)
キッス7枚目のオリジナル・スタジオ・アルバムです。それまでのアルバムと比べてかなりポップな方向に舵を切っており、『地獄からの脱出』 という邦題はそういった音楽性の変化をよく表現していると思います。チャート・アクションは極めて良好で、ディスコ調のファースト・シングルM1も大ヒットしました。
今となっては周知の事実ですが、このアルバムでピーター・クリスが参加している曲は、彼がリード・ヴォーカルをとっているM4のみ。他の全曲でドラムを叩いているのはエース・フレイリーのソロ・アルバムに参加していた名手、アントン・フィグです。アントン・フィグはピーター脱退後の後任ドラマーとして候補に挙がっていましたが、面が割れているという理由で結局は見送られてしまいました。
ピーターが不在の分、というわけではないでしょうが、本作ではエースが大活躍しており、ローリング・ストーンズのカバーであるM2と、彼の書いた2曲M7、M9の計3曲でリード・ヴォーカルをとっています。そのせいもあって、ジーン・シモンズの露出度はかなり控えめな印象もあります。しかしながら、キッスが目指していたと思われる、メンバー4人全員が曲をとり、全員がリード・ヴォーカルをとるという、ハード・ロック版ビートルズ・スタイルはほぼ完成しています。
でも世の中は皮肉なもので、部分的にではあっても、ピーターが参加した最後のアルバムがこの『地獄からの脱出』であったのであります…。