サロン・キティ
『サロン・キティ』
(Salon Kitty / Madam Kitty)1976年・イタリア・フランス・西ドイツ
監督:ティント・ブラス
脚本:ティント・ブラス、マリア・ピア・フスコ、エンニオ・デ・コンチーニ
音楽:フィオレンツォ・カルピ 撮影:シルヴァーノ・イポリッティ
出演:ヘルムート・バーガー、イングリッド・チューリン、テレサ・アン・サボイ、
ベキム・フェミュー、ティナ・オーモン
脚本:ティント・ブラス、マリア・ピア・フスコ、エンニオ・デ・コンチーニ
音楽:フィオレンツォ・カルピ 撮影:シルヴァーノ・イポリッティ
出演:ヘルムート・バーガー、イングリッド・チューリン、テレサ・アン・サボイ、
ベキム・フェミュー、ティナ・オーモン
ナチ情報部が諜報活動のために経営を乗っ取った
実在の高級娼館、『サロン・キティ』を題材にした
ポルノ仕立ての反ナチ風反戦風映画
日本では『ナチ女秘密警察 SEX親衛隊』のタイトルで
ポルノとして公開されたのは有名な話。
キャスティングは豪華で、ナチ情報部の責任者を演じるのがヘルムート・バーガー、サロン・キティの女将・マダム・キティを演じるのがイングリッド・チューリン。この二人を配していることからも明らかですが、監督のティント・ブラスはヴィスコンティの『地獄に堕ちた勇者ども』(1969年)の退廃的世界観の再現を狙っています。が、あの世界観には遠く及ぶわけないのは言わずもがな…。でもね、こんなしょうもない映画でもけなげに演じているヘルムート・バーガーがいいわけですよ!これが!
あくまでもポルノに徹するか、曲がりなりにも文芸作品もどきを貫くか、どっちかに割り切ればまだよかったんでしょうけどね~…。まぁこのあたりが監督の力量の限界だったんでしょうなぁ…(笑)
で、その監督のティント・ブラスはイタリア・ポルノ映画界の巨匠(?)として知られており、後にあの悪名高き『カリギュラ』(1980年)の監督も務めることになりますが、ペントハウスのボブ・グッチョーネが『カリギュラ』の監督としてティント・ブラスに白羽の矢を当てたのは、この作品があったればこそだったのでしょう。で、その『カリギュラ』でカリギュラの姉ドルシラを演じるテレサ・アン・サボイが高級娼婦の役で出演しています。
また、あくまで私の憶測ですが、ティント・ブラスは、本作の前年に撮られた問題作中の問題作であるパゾリーニの『ソドムの市』(1975年)も相当に意識していたと思われ、描写の端々に同作の断片が顔を出してきます。もし私の記憶が間違っていなければ、『ソドムの市』で変態大統領を演じたアルド・ヴァレッティもチョイ役ですが出演しています。
全員脱がされて…
親衛隊の隊員たちと一次テスト
一次テストをパスしても
さらに過酷な二次テストが待ち受けているのです!^^;