ちゃーりーはかめのぶろぐ

人生はエビフライ♪

『ギター弾きの恋』 ~ 『マイノリティ・リポート』

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『ギター弾きの恋』
(Sweet and Lowdown)1999年・アメリ

監督:ウディ・アレン 脚本:ウディ・アレン 製作:ジーン・ドゥーマニアン 製作総指揮:J・E・ボーケア 音楽:ディック・ハイマン 撮影:フェイ・チャオ 編集:アリサ・レプセルター
出演:ショーン・ペンサマンサ・モートンユマ・サーマン、アンソニー・ラパーリア、
グレッチェン・モル、ブライアン・マーキンソン、 ジョン・ウォーターズダグラス・マクグラス
ベン・ダンカン、ナット・ヘントフウディ・アレン
 

私は実をいうとウディ・アレンの映画ってあんまり好きではありません
それは、彼の作品に微かに漂う女性蔑視的な匂いが鼻についてしまうからです
でもそれは彼の作品によくテーマとして現れる女性賛歌の裏返しでもあり
そういう意味ではバランスがとれてるということかも知れません
ただ最近は、その匂いもあんまり気にならなくなり、楽しんで観れるようになりました
 
私はショーン・ペンが大っ嫌い、っていうかこの人の人柄がデェキレェです(笑)
でもこれほど幅広くいろんな役を演じられる名優は他にいないと思います
ショーン・ペンが演じる主人公のジャズ・ギタリスのエメット・レイは
実は架空の人物であるにもかかわらず、誰もが「本当のギタリストのドキュメントでは?」
と錯覚してしまうのは、もちろんエディ・アレンの巧みな脚本と演出によるわけですが
ショーン・ペンの素晴らしい素晴らしい素晴らしい名演技によるところも大きいです
いかにも実在のある人物の仕草や癖をまねて演技してるように見せる演技は圧巻!
ギターを弾くときに独特の足の動きでリズムをとる様子などはもう絶妙です!
 
ウディ・アレンほど女優の良さを最大限に生かせる監督はいないでしょう!
エメット・レイが恋してしまう、口のきけない若い女性ハッティを演じる
サマンサ・モートンの、ちょっと人間離れしたようなエキセントリックな魅力を
余すところなく引き出しているんではないでしょうか
後に『マイノリティ・リポート』のプリコグ役に彼女が起用されたのは
明らかにこの『ギター弾きの恋』の影響であろう!と私は思っています
 
 
 
 
 
 
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(Minority Report)2002年・アメリ

監督:スティーヴン・スピルバーグ 脚本:ジョン・コーエン、スコット・フランク
原作:フィリップ・K・ディック
製作:ボニー・カーティス、ジェラルド・R・モーレン、ヤン・デ・ボン、ウォルター・F・パークス
製作総指揮:ゲイリー・ゴールドマン、ロナルド・シャセット
音楽:ジョン・ウィリアムズ 撮影:ヤヌス・カミンスキー 編集:マイケル・カーン
出演:トム・クルーズコリン・ファレルサマンサ・モートンマックス・フォン・シドーロイス・スミス
ピーター・ストーメア、ティム・ブレイク・ネルソン、キャスリン・モリス、ニール・マクドノー、
パトリック・キルパトリック
 

何故かディックの原作の映画化作品というのは原作の原型をとどめないくらい
に激しく改変されていることが多いのですが、本作もその例に漏れず
辛うじて主人公(ジョン・アンダートン)の名前だけは同じという程度
 
この映画の舞台は2050年代で、作品中に登場する数々のテクノロジーは、かなり
科学的な裏付けに基づいているということで話題になりましたね。実際に
現在の技術開発の最先端の現場ではこの映画を参考乃至目標にしてるとかしてないとか
 
さて、本作で描かれている未来社会では、犯罪は未然に予知され
犯罪を企てた時点で探知され、未来の犯人は捕まってしまうわけですが
犯罪予知に利用されているのが、プリコグと呼ばれる一種の超能力者達
そのプリコグのリーダー格であるアガサを演じているのがサマンサ・モートン
プリコグ達のおかれている奇妙な状況と、どのようにして犯罪予知が
行われているか、という様子がこの映画の中の最大の見せ場の一つであるわけですが
サマンサ・モートンの起用により、一見神秘的ながらも生臭い犯罪予知システムの
胡散臭さがうまいこと表現出来ているように思います。彼女の曇りのない目がポイント!
 
全体的な構成は、なんとなく『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)
を下敷きにしているようにも思えます。スピルバーグゆとりの一作♪かな?
 
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