『地下室のメロディ』カラーライズ版
(Mélodie en sous-sol)1963年・フランス
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
脚本:ミッシェル・オーディアール、アルベール・シモナン、アンリ・ヴェルヌイユ
音楽:ミシェル・マーニュ
モノクロ映画の着色版というと、あまりいい印象がないような気がしますが、本作に関しては大正解であったと言えますね。白黒とどっちが良いということではなく、まるで違う映画のような印象を受け、この2枚組で両方観れば名作を2回じっくり堪能できて、とても得した気分になれます。
白黒版の深い陰影をあえて排除した淡い着色により、結果と映像に奥行きと広がりを与えたことが大変良かったのではないかと思います。
本作はそもそも、ムショ帰りの二人が出所早々にカンヌのカジノの地下金庫を襲うという完全な犯罪映画でありながらも、銃声の一発も響かず、これといった派手なアクションもなく、あくまでも秀逸なプロットと二人の名優のピッタリと息の合った名演技と見事な映像で見せるフランス映画らしい傑作です。
ラストの二人の表情と言ったら!もう絶品ですな~^^
それに加えてあの有名なテーマ曲♪娯楽映画っていうのはこうでなくっちゃね!