ちゃーりーはかめのぶろぐ

人生はエビフライ♪

アメリカン・スナイパー

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(American Sniperアメリカ・2014年

監督:クリント・イーストウッド 脚本:ジェイソン・ホール 原作:クリス・カイル
ブラッドリー・クーパー 撮影:トム・スターン 編集:ジョエル・コックス、ゲイリー・D・ローチ 



もしも過去に『ハートロッカー』という映画がなかったら
本作は間違いなくアカデミー作品賞を受賞していたのだろと思う
良い悪いは別にしてアカデミー賞とはあくまでもアメリカの映画賞であるので
これは極めてアカデミー賞的な作品だろう

もちろん『ハートロッカー』はとてつもない映画で
あの時点で『ハートロッカー』と比較できるような作品はなかった
反戦でも好戦でもなくイラク戦争の是非を問うものでもなく
ただひたすら爆発物処理を天職として没頭する男の姿のみに
スポットをあてる手法はいまだに類を見ない斬新さと言える

アメリカン・スナイパー』は『ハートロッカー』の進化版と見るとこもできる
『ハートロッカー』の弱みは現実感の希薄さとキャスティングのまずざにあったが
その点において本作は完璧と言える。戦争映画としては『プライベートライアン』以来の
興行成績であったそうだが、本作のリアリズムは徹底していて
近作の『フューリー』などとは比較にならない
また主演のブラッド・リー・クーパーは実際に観るまでは
正直言ってまるでピンとこなかったのだけれど
蓋を開けてみればこれまた完璧のナイスキャスト!
『ハートロッカー』のジェレミー・レナーは確かにいい俳優だけれど
キャラクター的にあまりにもヒーロー然としていてウソっぽさが否めない
もっとも本作は実在の人物の自伝が原作であるという点は大きいけれど…

クリント・イーストウッドがこの映画で吐き出したのは本音であると思う
どうしようない臭みは全くない
要はしょせんはアメリカからの視点でしか描けないし
それで精一杯ということを正直にさらけ出しているのは
むしろ好感が持てる
つまりアメリカ(人)にはよその国のことを考えるゆとりがないのである


もう一度じっくり観たい映画
ちなみにパンフは売り切れで買えませんでした…



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