死刑台のエレベーター
(Ascenseur pour l'echafaud、Elevator to the Gallows)1958年・フランス
監督:ルイ・マル 脚本:ロジェ・ニミエ、ルイ・マル 製作:ジャン・スイリエール
原作:ノエル・カレフ 音楽:マイルス・デイヴィス 撮影:アンリ・ドカエ 編集:レオニード・アザー
出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリー、ヨリ・ベルダン、
リノ・ヴァンチュラ、ジャン=クロード・ブリアリ
ルイ・マル(当時25歳)の監督デビュー作にしてヌーヴェル・ヴァーグの代表作の1本
ジャンヌ・モローのちょっとめくれた妙に艶めかしい上唇と、彼女に夢中になっている
主人公を演じるモーリス・ロネの陰気で憂鬱な顔がこの映画のテーマそのもの
刑事役のリノ・ヴァンチュラが出てくると、何故かちょっとだけほっとします
冒頭のジャンヌ・モローの顔面ドアップでの「ジュ・テーム」と
いかにもフランス映画らしい湿っぽい暗さが一発で強烈な印象を残します
そして音楽!映像と一体になった時にこの音楽は最大限に生きるのです!
逆に言えば、マイルスの音楽があって初めてこの映画に魂が入るのです♪
出だしの、陰音階を駆け上がるメロディーはまさに死刑台に自ら上っていくようで
この映画のテーマを音で完全に表現していますね
監督のルイ・マルは音楽をつけて欲しい部分だけをつないだフィルムを作成し
マイルスらミュージシャンはそのフィルムを見ながら即興で演奏したそうですが
これはもう天才だけが成し得た業と言えましょう
サントラ全ての録音に要した時間はわずか4時間だとか…