ちゃーりーはかめのぶろぐ

人生はエビフライ♪

午後の曳航

 
 
 
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大人というものは、大人になった途端に
「子供は本来無垢で純粋な生き物である」と思いこもうとします
でもちょっとでも自分自身の過去を冷静に見つめてみれば
そこには、ほとんど物心ついた頃から隠し事をし、策謀に走り、
大人の一挙手一投足を鋭く観察している小さな人間の姿が見えるはず…
子供が純粋で素直な姿を見せたとき、それはほぼ100%
偽りの姿だということを、大人は本当は知っているはずなのに…
 
 
 
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午後の曳航
(The Sailor Who Fell from Grace With the Sea)1976年・日本・イギリス

監督:ルイス・ジョン・カリーノ 脚本:ルイス・ジョン・カリーノ 原作:三島由紀夫
製作:マーティン・ポール 音楽:ジョン・マンデル 撮影:ダグラス・スローカム
編集:アントニー・ギブス 
出演:サラ・マイルズ、クリス・クリストファーソン、ジョナサン・カーン、マルゴ・カニンガム、
アール・ローデス、ポール・トロピア、ゲイリー・ロック、スティーブン・ブラック、ピーター・クラハム、
ジェニファー・トールマン
 
 
 
 

ご存知三島由紀夫の問題小説の映画化作品です
スタッフ・キャストは全て英米人で固められ、舞台も
(恐らく)イギリス(車が右ハンドルなので)に置き換えられていますが
雰囲気までも原作に忠実に映画化されている作品と言えましょう
三島由紀夫の原作に登場する舞台の屋敷も洋館風に改築されている
という設定なので、尚更違和感がないように思います
 
頻繁に登場する、凪いで青く美しい海の映像と
ゆったりと流れる音楽も非常に効果的でした
 
 
実はこれ、私にとってはトラウマ映画の1本でして
主人公の少年(達)とあまり変わらない年齢のときに観たもんですから
印象も強烈で、深い罪悪感のようなものを植え付けられました
三島由紀夫の作品を一つも読んだことがないうちに
この映画を観てしまったもんですから、三島の小説を
実際に読むのにその後かなりの年月を要しました
 
 
夜な夜な肉の疼きに悩まされる未亡人役のサラ・マイルズも
自分の知らぬ間にヒーローから罪人へと転落してしまう
憐れな船乗り役のクリス・クリストファーソン
本作後に特に目立った活動はない(というか、知らない)
悪童を演じた5人の少年たちも実にナイス・キャスティングでした
 
監督のルイス・ジョン・カリーノってほとんど知りませんが
新旧の『メカニック』の脚本を書いてる人なんですね~
 
 
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