ちゃーりーはかめのぶろぐ

人生はエビフライ♪

マンディンゴ

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マンディンゴ』 (Mandingo)1975年・アメリ
 
監督:リチャード・フライシャー 脚本:ノーマン・ウェクスラー 製作:ディノ・デ・ラウレンティス
音楽:モーリス・ジャール 撮影:リチャード・H・クライン 編集:フランク・ブラク
出演:ジェームズ・メイソン、スーザン・ジョージケン・ノートン、ペリー・キング、ブレンダ・サイクス
 
 
 
 
 この映画を一言で言い表すとすれば、DVDの解説でも使っている、「異形」という言葉がピッタリではないでしょうか。プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスは、恐らく、世界残酷物語』(1962年)のフィクション版のような残酷系娯楽大作を狙っていたのではないかと思うのですが、監督の鬼才リチャード・フライシャーの煮込み料理のようなどろっとした演出や、名優ジェームズ・メイソンのじっくりとかつ静かに挑みかかるような演技は分かりやすい娯楽作としての仕上がりを許さず、本当に狂気にとりつかれたかのようなスーザン・ジョージの熱演も異様な雰囲気に拍車をかけているようです。その結果、エンターテイメントとも歴史検証とも人種差別・虐待・女性蔑視批判ともつかない恐ろしい鬼っ子のような「異形」の作品が出来上がってしまった、と、私は解釈しています。モーリス・ジャールの美しい音楽さえも虚ろでおぞましいBGMのように響きます。
 
 
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 しかしながら、闘鶏や闘犬よろしく殺し合いをさせられる奴隷同士の格闘シーンの、思わず手に汗握るほどの迫力や、奴隷を競り落とすシーンの生々しさ、姦通シーンのハラハラドキドキなどは圧巻で、高いエンターテイメント性も備えており、そのなんとも言えないアンバランスさもこの映画に独特のムードを与えています。有名なラストに代表されるように、描写は全般的に陰惨で、非常に後味が悪く、正直言って2時間強の上映時間は長すぎて、最後まで観るのは結構つらいのですが、一服の清涼剤のようにオープニングと中盤とエンディングに挿入されるマディ・ウォーターズの歌声だけが心に染み入るように流れ、唯一ほっとする部分。
 
 
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 かのクエンティン・タランティーノ先生はもちろん本作を絶賛しており
ジャンゴ 繋がれざる者』の重要なモチーフとなっているのはよく知られているところ
 
 
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